Touchless

新作短歌15首による連作です
岡野大嗣 2026.10.15
誰でも

函入りのテディベアがやってきて自ら剥がす宛名のシール

こよなく、に続く愛以外の気分あなたにならば見当たりそうな

晩年はグルメフロアで事足りて帰路は取りあう手を探すだろう

TAXとIを濡らして秋晴れの銀座に停まるクラウンセダン

リスボンのご家族のことを聞きながら窓に見慣れた街は流れた

団地から神社へむかう川沿いの見えない川の光の中を

この町で富を有していた人の、石に彫られているフルネーム

近づくとつまらなくなるガスタンクこうなるともう離れてもそう

初期位置に収まる飛車と角らしくふかぶか座るGO PREMIUM

坂道の左にも右にも店があり上るみたいに下っていった

アイシングクッキー わたしは考えるときのわたしの目を知っている

細いまま撮れると月はどうだろう 月は見ているだけでよくなる

入れずに出てきた星乃珈琲の番号札を折りたたむ夜

iPod Touchの画素の中にあるあなたの付け襟のParty Night

ガスタンクを数えて眠る単/複のどちらで事切れてもいいように

無料で「たやすみなさい通信」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら