たのしい午前
短歌8首による連作です。
岡野大嗣
2024.10.14
誰でも
午後になにするのかじぶんもわからないこどもみたいなたのしい午前
正門の脇の園内案内図 また来たときもわくわくしそう
九月から十一月を秋にしてスワンボートや紅葉の挿し絵
秋晴れに小津作品の英題をおしゃれだったと思い出すひと
そっくりのポメラニアンが二匹いて落ち葉とたわむれるそっくりに
紙粘土にニス引くようなあかるさで大人が三輪車を漕いでいる
どんぐりとまつぼっくりが商談をしている記憶の隅の砂場で
蚤の市のごはんを食べて十月がハンカチをたたむように過ぎていく
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