短歌連作『そえて、そえて』

短歌10首による連作です。
岡野大嗣 2023.04.12
誰でも

補助犬が眠りを恋のようにする国際線の光のなかで

撫でながらよぎったりする明日がくれば平均寿命の犬のせなかを

おぼろげなローカルルールで進まないUNOのさなかに撫でられるねこ

ひどいこと言ってしまって夢のなかとはいえ言われるよりこたえてる

捨てるため傷つけたCD-R 光が春を連れてしみこむ

人間でいえば何歳、ってあれさ 知ったところで、って話じゃない?

ギターの穴がすきだったねこ たましいはピックガードの花野にとけて

愛犬を愛犬だったなと思う思うときその愛の不在に

教科書のつよくひらいた折りぐせのここにまで換毛期のきみは

耳で追う add9thがとけている高速道路の光の糸を

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