はるのよ

短歌8首による連作です。
岡野大嗣 2024.04.04
誰でも

ごはんつぶのついたジャージのまま会える春の夜 はるのよ の質感で

めちゃうまよ、って運んできてくれたさっきまで焼きたてだったチョコマフィン

もう四月 三月までのことなにも覚えていないふたりで歩く

アンビエント(白い桜を白いまま写して送る夜)ミュージック

身に余るソファーはファミレスのたまもの 地元のいやなとこ好きなとこ

クレヨンで描いたおばけが画用紙を飛び出す ぺこり 抱きしめてくる

呼気過多のヒップホップのライミング きたない言葉から光ってく

人生!って言うと餌だと思う猫 誰の餌でもない春の世に

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