くまと海へ
短歌5首による連作です。
岡野大嗣
2024.06.28
誰でも
ずっと部屋にいた一日のベランダに出ればわたしへ沁みたがる夜
レコードの針からこぼれてしまう音 同じ仕様で泣いているひと
直筆のレシピ おでんのだいこんに〈幸のありか〉と副題を添え
くまのぬいぐるみに見せる感覚で夕日の海へ連れてこられる
写真集に栞を挟む この先は光が足りない場所で見たくて
6/14(金)付「読売新聞」東京本社版夕刊「日本語」面「五七五七七」に寄稿した5首です。テーマは「しみる」でした。転載の許可を得ています。
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